2000年の7月下旬から外で絵を描き始めました。その前にも田無のカレー屋さん 外壁に描いたのですが、不完全燃焼だったということもあり、工事現場の方からお話が来たときは二つ返事で受けました。
まず現場の方と、どんなモチーフにしようかと相談しました。とりあえず子供が喜ぶものをということで、「動物と機械」をしました。
制作手順として
1. キャラクター作成
2. Macでスキャニングした素材を合わせる
3. キャンバスとなるコンパネにジェッソとモデリングペーストで下地をつくる
4. 百円ショップで材料を調達
5. 出力した下絵をトレース
6. 気分のままにネオカラーにて描画 アウトラインはマッキー極太
納期のない仕事なので、だらだらと時間だけがかかってしまいました。現場の方から落書きと勘違いされるので早く仕上げてほしいと言われました。
仕事が終わってからの制作となるため、終電までの時間が制作に使われます。夜とはいえ今年の夏は暑く、コンビニのアイスとジュースを飲みながら 描きました。現場は細くて暗い歩行者通路で人通りもまばらなのですが、思ったよりも人通りがあり恥ずかしさは隠せません。
何日も描いていると、その場所と一体感のようなものが感じられ、楽しくなってきました。いろんな人が通ります。声をかけてくれる人もいます。会社帰りのサラリーマンやOLさんなど 毎日同じ道を通るのでしょう。
絵は時間を感じさせることが難しいといわれます。しかし制作過程を見せながら作品を仕上げる事で 変化を感じてもらえるかなぁと思いました。私にとって描きあがった作品よりも、描いている途中の気分が大事なのです。
「お金にもならないことやってて楽しいの?」とか「こんな夜中に気持ち悪い」とか「いくらお金もらってるの?」 すべてが損得勘定で人の心を見透かしたような卑しい言葉がありました。人生論や芸術論など、こむずかしい言葉をならべたてて説教するおやじもいました。
しかしそれ以上に、うれしい言葉と反応がたくさんありました。「毎日楽しみにしてるよ」と言ってくれたおじさん。「できあがったら写真撮りますね」と言ってくれたお姉さん。「今度孫にも見せるから」と言ってくれたお婆ちゃん。「かわいいよね」と言ってくれたカップル「あなたが思っている以上にいろんな人が見てるからね」と励ましてくれたサラリーマン。本当に描いてて良かったと思いました。
私自身のテーマでもある「変化」を体感できた貴重な実験でした。
